元ミクシィCEOで、現在は投資ファンドを経営する朝倉祐介氏が16日、ツイッターを更新。この日が初日だった大学入学共通テストの国語について、古文や漢文の配点が半分もあることなどへの疑問を述べ、ネット民の賛否を呼んだ。
この日の共通テストは、試験会場となった東大で受験生ら3人が高校生に刺されて負傷する事件が起きるなど衝撃を呼んだが、朝倉氏が指摘したのは国語の出題構成だ。「大学入学共通テスト初日ですが、未だに国語の配点の半分が古文・漢文だと知って驚愕しています。好きな科目でしたが、人生で一切役立たない教科の配点が50%もあるのはあまりにおかしい」と疑問視。続けて「他に必要な知識は多々あるのに教育が全く進歩してない」と痛烈に指摘し、「古文・漢文教員の雇用確保以外に理由が見当たりません」との私見を述べた。
大学入学共通テスト初日ですが、未だに国語の配点の半分が古文・漢文だと知って驚愕しています。
好きな科目でしたが、人生で一切役立たない教科の配点が50%もあるのはあまりにおかしい。他に必要な知識は多々あるのに教育が全く進歩してない。
古文・漢文教員の雇用確保以外に理由が見当たりません。— 朝倉祐介 -Yusuke Asakura (@Jockey723) January 15, 2022
これには、医師を名乗るアカウントが「だいぶ前にセンター試験受けましたが、古文20点で医学部合格し、その後一度も古文の知識が役に立ったことはありません。 教養としてあってもいいとは思いますけどね」と賛意を示したり、別のネット民が「英語は知識として定着するのに古文は何度読んでも頭の中に定着せず嫌悪感のような感情しか無かったので配点割合が未だに高いのは自身のように古典が苦手な受験生には気の毒だなと思いました」などと朝倉氏に同調したりした。
しかし、リプライの半数余りは朝倉氏に批判的。英語教師という男性が「日本語の古文は一つの文章の中、動詞のみで三人のことを表現できる豊かな言葉だと説明し、英語と日本語の成り立ちの違いをいつも説明しています。私は古文も漢文も現代を生きるのに大切に思えます」と反論すれば、理系男性の匿名アカウントは「直接何かの役に立ったかどうかというのが基準ならそうかもしれないけど、理系の俺でも古文漢文は好きだったし、それなりに人間の幅が広がったと思ってる」との異論も。
さらに朝倉氏への反対の論陣には“大物”経営者も参戦。元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏は「その後(注・受験後)の人生、国語で役に立った感がなかったのは、むしろ現代文の方で、古文・漢文はやっててよかったと思ったことが何度もありました」と、朝倉氏に対してツイートしていた。
朝倉氏は10代の頃に競馬の騎手を目指し、騎手の養成学校に入学。その後、東大法学部に入り、外資大手コンサルのマッキンゼーで社会人生活をスタートするという異色の経歴の持ち主。やがて在学中に設立したベンチャー企業に復帰し、2011年に同社の売却先だったミクシィに入社。SNS事業が衰退していた同社の再建に注力し、2013年から1年間社長を務めた後に退社。現在は投資家として活躍し、メディアでも積極的に発信している。