もっと詳しく

『哲学する漱石』 (春秋社・4620円) 小我を捨てた奥底の自己 夏目漱石は、愛とエゴイズムを深掘りした小説家である。その作品には「私」という存在に苦悩する内向的人間が描かれる。「自己であること」の探究が、積み重ねられる。 一方、晩年に至った境地として知られるのが「則天去私」である。私を…