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聡は、二年間はよく眠れなかった。弟が祖母を過失で死なせて、母親がその責任の一端は聡にもあると責めた日から。おまえが依怙地(いこじ)になって自分たちを捨てた父親の業績を追って何者かになろうとすればするほど、あの子はあんたとの差に悩んで、そのことがあの子を追いつめておかしくしたんだと…